外用『アゼライン酸』の効果
- 色素沈着の“予防”
- “アクネ菌増殖抑制”→炎症性ニキビ予防 & 今あるニキビ悪化防止
- 皮脂の抑制
つまり、
今ある色素沈着・くすみ、炎症性ニキビを無くす成分ではないため、即効性がないのです。
即効性を求めるな!
アゼライン酸は、「長期的に使う」ことで効果が出るもの。
だから、『一週間使ってみて効果を検証!』とか言っている無知なインフルエンサーの情報に左右されないでほしい。
①予防として色素沈着を防ぐ
これからできる色素沈着の予防なので、美白作用に関しては効果が出るのは時間がかかる(一ヵ月くらい。ターンオーバーによって入れ替わるから)。
②アクネ菌が増える原因の一部を防ぐ
アクネ菌を直接殺菌して減らすわけでもなく、アクネ菌の増殖を防ぐこと(増える原因の一部を解消)しかできないので、即効性はない。
また、ニキビはアクネ菌がなくてもできるため注意!
今、炎症性ニキビ(みんなが単にニキビだと思っている赤い炎症・膿など)がある人は
①アクネ菌が増えなくなる
↓
②悪化しなくなる
↓
③自然に治るのを待つ(炎症を止める成分・細胞を治す成分ではないから)
●炎症性ニキビへの予防
①アクネ菌が増えなくなる
↓
②免疫が強く反応しないから炎症しない
↓
③炎症性ニキビの予防になる
③皮脂の抑制
効果が出るまでの期間は?
● アクネ菌の抑制:1〜2週間
● 炎症性ニキビの赤み・腫れの改善:2〜4週間
● 角質除去作用(ピーリング):3〜4週間
● 色素沈着を予防:8〜12週間以上
● 皮脂の抑制:8〜12週間以上
外用『アゼライン酸』が作用する原理は?
①色素沈着を予防
① アゼライン酸を塗る
② 通常、チロシナーゼがL-DOPAに結合しメラニン合成となるところ、アゼライン酸に結合させる
③ メラニン合成できない
④ だから、色素沈着を予防できる
②“アクネ菌増殖抑制”→「炎症性ニキビ予防 & 今あるニキビ悪化防止」の原理
① アゼライン酸を塗る
② アゼライン酸がアクネ菌の細胞へ入る
③ アクネ菌の呼吸を阻害
④ アクネ菌はエネルギー不足になる
⑤ DNA複製・細胞分裂ができなくなる
⑥ “アクネ菌増殖抑制”
⑦ アクネ菌による炎症性ニキビ予防・悪化防止
③皮脂の抑制
① アゼライン酸を塗る
② アゼライン酸がヒト細胞(ミトコンドリア)へ入る
③ ミトコンドリアの呼吸を阻害
④ ミトコンドリアはエネルギー不足になる
⑤ 皮脂の原料が作れなくなる
⑥ 皮脂の抑制
+α:『ANUA アゼライン酸15%セラム』の問題について
効果がないのではないか?
理由は中性であるから。
という話であったと思うが、アゼライン酸自体の効果はあります。
まず、常温でアゼライン酸は固形の粉です。
これを液体状にするために「高極性溶媒中の可溶化分子」もしくは「溶解型ナトリウム塩」の状態にしないといけないのですが、どちらにしろ分子構造が変わっていません。
そのため、アゼライン酸として同じ効果を発揮するというわけです。
『アゼライン酸』データ
項目 | 内容 |
---|---|
成分名(日本語) | アゼライン酸 |
別名(すべて) | アゼライン酸;1,7-ヘプタンジカルボン酸;ヘプタン-1,7-ジカルボン酸;ノナン二酸;レパルギリル酸;エメロックス1144;アンコイン酸;アゼライン酸 (RABBIT);アゼライン酸, 98%;(3S,6S,9S,12S,15R)-3-(4-ヒドロキシベンジル)-6-(1-メチルプロピル)-9-(3-アミノ-3-オキソプロピル)-12-(2-アミノ-2-オキソエチル)-15-[(4-フルオロベンジル)[2-[[(S)-1-(2-メチルプロピル)-2-[(2-アミノ-2-オキソエチル)アミノ]-2-オキソエチル]アミノ]-2-オキソエチル]カルバモイル]-17-チア-2,5,8,11,14-ペンタアザシクロイコサン-1,4,7,10,13-ペンタオン;(2S)-2-(2-{1-[(3R,6S,9S,12S,15S)-12-(ブタン-2-イル)-9-(2-カルバモイルエチル)-6-(カルバモイルメチル)-15-[(4-ヒドロキシフェニル)メチル]-5,8,11,14,17-ペンタオキソ-1-チア-4,7,10,13,16-ペンタアザシクロイコサン-3-イル]-N-[(4-フルオロフェニル)メチル]ホルムアミド}アセトアミド)-N-(カルバモイルメチル)-4-メチルペンタンアミド;NONANEDIOIC ACID;Azelex;azelaic;ninandioic acid;ANCHOIC ACID;nonanedioate;Azelaic acid powder;ZK-62498;Azalaic Acid;nonadioic acid |
CAS番号 | 123-99-9(無水物)、水和物は存在しないため該当なし |
分子式・分子量 | C₉H₁₆O₄;188.22 g/mol |
最小有効濃度(MEC) | 0.2%(Cutibacterium acnes に対する最低静菌濃度) |
最適治療濃度(OTC) | 15%(ロザケア用ジェル)、20%(尋常性痤瘡用クリーム) |
最大耐容濃度(MTC) | 20%(局所使用時の皮膚安全性に基づく) |
医薬部外品における有効成分の濃度範囲 | 日本では未収載、医薬部外品としては承認されていない(EUおよび米国では外用医薬品として承認) |
融点 | 106–109°C(純品)、文献値:98°C(物理データ平均値) |
水への溶解度(25°C) | 2.4 g/L(20〜25°Cでほぼ一定) |
LogP(脂溶性指標) | 1.57(25°C) |
一次標的(すべて) | ① Cutibacterium acnes 細胞膜上の呼吸鎖酵素(チトクロムCオキシダーゼ) ② メラノサイト内のチロシナーゼ(L-DOPA酸化部位) ③ ヒト皮脂腺細胞のミトコンドリアComplex IV(ATP合成系) |
保管方法 | 高温多湿・直射日光を避け、15〜30°Cの冷暗所密閉保存 |
併用不可 | 高濃度のトレチノイン、ベンゾイル過酸化物(刺激増強)、強酸・強塩基性溶液(不安定化) |
副作用 | 軽度の紅斑、灼熱感、かゆみ、角層の軽度剥離、乾燥感(局所) |
安全性評価 | EWGスコア:1(最も安全)、皮膚刺激性は軽微、欧州・米国で医薬品として承認済み。眼刺激(H319)および皮膚刺激(H315)あり。GHS分類あり。 |
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