外用『アダパレン』の効果
- 古い角質を“剥がす”
- 新しい皮膚の細胞を“作る”
- 炎症性ニキビ治療・予防
効果が出るまでの期間は?
● 古い角質を「剥がす」作用:2〜4週間(約1ヵ月で自覚されやすい)
● 新しい皮膚の細胞を「作る」作用:最低4週間、8週以降に効果最大
● 炎症性ニキビの治療・予防:1~2週間後に赤み・腫れが減る
ニキビや角栓を治す
①角質改善によってコメド・角栓を防ぐ
古い角質が剥がれず残ると、毛穴が閉じて皮脂が外に出ていかなくなってしまう。
そこで角質と皮脂が混ざったコメド・角栓ができてしまう。
さらに、アクネ菌は皮脂をエサに増殖するので、炎症性ニキビもできる。
だから、古い角質を剝がれやすくして、常に質の良い角質があるように新しく作ることで、「コメド・角栓の改善」+ それによる「炎症性ニキビの間接的改善」をするのです。
②繰り返す炎症性ニキビを止める
治療を早める・細胞修復を早める成分ではないが、炎症が次の炎症を作るようなループを制御することで長期的に治らなかった赤み・炎症に効果があるのです。
外用『アダパレン』が作用する原理は?
①古い角質を「剥がす」原理
① アダパレンを塗る
② アダパレンが表皮の角質層(4段階のうち1番表面)に届く
③ 細胞の接着をゆるめるタンパク質が多く作られる
④ だから、古い角質が「剥がれる」
②新しい皮膚の細胞を「作る」原理
① アダパレンを塗る
② 細胞が作られる表皮の基底層(4段階のうち1番深く)に届く
③ 新しい細胞を作るタンパク質が多く作られる
④ だから、新しい皮膚の細胞が「作られる」
③炎症性ニキビ治療・予防
① アダパレンを塗る
② 上2つが作用する
③ 上2つでタンパク質合成の準備段階で使う物質(CBP/p300)を使われる
④ CBP/p300は、数に限りがある
⑤ 炎症を起こすタンパク質がCBP/p300不足で作れない
⑥ 今以上の炎症ができない(炎症が鈍る)
⑦ だから、炎症性ニキビ治療・予防になる
『アダパレン』データ
項目 | 内容 |
---|---|
成分名(日本語) | アダパレン |
別名(すべて) | 6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸;6-[3-(アダマンタン-1-イル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフタレンカルボン酸;6-[4-メトキシ-3-(アダマンタン-1-イル)フェニル]-2-ナフタレンカルボン酸;アダパレン;アダパレン (JAN);ディフェリン;6-{4-メトキシ-3-[(3r)-アダマンタン-1-イル]フェニル}ナフタレン-2-カルボン酸;Adapalen;Differin;6-(3-(AdaMantan-1-yl)-4-Methoxyphenyl)-2-naphthoic acid;6-[3-(1-adamantyl)-4-methoxy-phenyl]naphthalene-2-carboxylic acid;6-[3-(1-ADAMANTYL)-4-METHOXYPHENYL]-2-NAPHTHALENE CARBOXYLIC ACID;ADPL;CD-271;Differi;p75(NTR);Adaparin |
CAS番号 | 106685-40-9(無水) |
分子式・分子量 | C28H28O3、分子量 412.52 g/mol |
最小有効濃度(MEC) | 0.01%(角質剥離および毛包開放作用が確認される濃度) |
最適治療濃度(OTC) | 0.1%(日本および米国の外用薬規格)、0.3%(一部製剤に存在する高濃度処方) |
最大耐容濃度(MTC) | 0.3%(皮膚局所適用時の最大耐用濃度) |
医薬部外品における有効成分の濃度範囲 | 医薬部外品としては未収載(現時点では医療用医薬品に分類) |
融点 | 約318°C(分解を伴う) |
水への溶解度(25°C) | <0.01 mg/mL(非常に低い) |
LogP(脂溶性指標) | 8.3(高度な脂溶性) |
一次標的(すべて) | ① RARγ(Retinoic Acid Receptor gamma) ② RARβ(Retinoic Acid Receptor beta) |
保管方法 | 室温保存(15〜25°C)、光・高温・湿気を避け密閉容器で保管 |
併用不可 | ① 刺激性の高い角質剥離成分(例:ベンゾイル過酸化物、サリチル酸、α-ヒドロキシ酸) ② 強アルカリ性石鹸やアルコール含有化粧品 |
副作用 | 乾燥、紅斑、落屑、刺激感、かゆみ、ピリピリ感 |
安全性評価 | FDAカテゴリC(妊娠時安全性未確立)、外用では全身毒性極めて低い、安全性高いとされているが日光曝露時の光感受性あり |
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