外用『グリチルリチン酸ジカリウム』の効果
- 赤みへの即効性
- 炎症性ニキビ予防 ＆ 今あるニキビ悪化防止
どのような原理かというと、
①『炎症＝赤みや腫れ』を引き起こすスイッチを直接制御
↓
②炎症反応が収まる
という流れです。
分子が大きいので毛穴の深くまで届かず、浅い炎症を鎮めます。ただ、これだけでもだいぶ赤みが引くので効果が薄いというのは間違いです。
これを使っても赤みが減らない人は、毛穴の奥深くで起きた炎症か、それに勝つくらい炎症が強いか、など他に原因は他にあるでしょう。
効果が出るまでの期間は？
● 赤みへの即効性：約30分〜数時間以内
● 炎症性ニキビの予防・悪化防止：数日〜1週間程度
効果が出る人・出ない人
この成分は分子が大きいので、まず毛穴の奥まで届きません。
そのため浅い部分での炎症を鎮めるというのがグリチルリチン酸ジカリウムの正確な効果となります。
| 項目 | 効果が出る人 | 効果が出にくい人 |
|---|---|---|
| 炎症の種類 | 浅い炎症（ニキビ赤み・日焼け） | 深い炎症（膿疱ニキビ） アレルギー系（アトピー） 血管異常系（酒さ） 色素沈着 |
| メディエーター | HMGB1, IL-1β, TNF-α, IL-6系中心 | IL-17, IFN-γ, IL-23などTh17/Th1系中心 |
| 赤みの種類 | 血管拡張による赤み（炎症性紅斑） | 色素沈着 毛細血管拡張症など別の要因 |
| 肌バリア | 清潔で正常 浸透しやすい肌 | 厚い角質 皮脂詰まり 炎症で吸収が悪い肌 |
| 使用タイミング | 炎症初期、赤くなり始めた段階 | 炎症での組織損傷 炎症後の色素沈着へ移行段階 |
| 製剤選択 | 適切な濃度・製剤（ジェル・乳液など）を使用 | 極端に低濃度 or 浸透性の低い製剤 |
一言で言うと
グリチルリチン酸ジカリウム（グリチルリチン酸2K）は「浅くて赤い炎症」には強いけど、「深くて慢性的 or 非炎症性の問題」には効果が出にくい。
『グリチルリチン酸ジカリウム（グリチルリチン酸2K）』データ
チルリチン酸ジカリウム（グリチルリチン酸2K）』データ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 成分名 | グリチルリチン酸ジカリウム |
| 別名 | グリチルリチン酸 二カリウム 水和物;ノイボルミチン;3β-[[2-O-(6-O-ポタシオ-β-D-グルコピラヌロノシル)-6-O-ポタシオ-α-D-グルコピラヌロノシル]オキシ]-11-オキソオレアナ-12-エン-30-酸;グリシルリジン酸二カリウム;グリチルリチン酸二カリウム;グリシルリチン酸ジカリウム;グリチルリチン酸ジカリウム;グリシルリジン酸ジカリウム;20β-(ヒドロキシオキソメチル)-11-オキソ-30-ノルオレアナ-12-エン-3β-イル2-O-[6-(ポタシオオキシ)-6-オキソ-6-デオキシ-β-D-グルコピラノシル]-6-O-ポタシオ-α-D-グルクロノピラノシド;20β-(ヒドロキシカルボニル)-11-オキソ-30-ノルオレアナ-12-エン-3β-イル2-O-β-D-グルコピラヌロノシル-α-D-グルコピラノシドウロン酸ジカリウム;グリチルリチン酸２Ｋ;グリチルリチン酸二カリウム水和物;グリチルリチン二カリウム水和物;グリチルリチン酸二カリウム塩;グリチルリチン酸二カリウム塩, 99+%(HPLC);グリチルリチン酸二カリウム (JAN);(2S,4aS,6aS,6bR,8aR,10S,12aS,12bR,14bR)-10-{[(2S,3R,4S,5S,6S)-4,5-ジヒドロキシ-6-[(ポタッシオオキシ)カルボニル]-3-{[(2R,3R,4S,5S,6S)-3,4,5-トリヒドロキシ-6-[(ポタッシオオキシ)カルボニル]オキサン-2-イル]オキシ}オキサン-2-イル]オキシ}-2,4a,6a,6b,9,9,12a-ヘプタメチル-13-オキソ-1,2,3,4,4a,5,6,6a,6b,7,8,8a,9,10,11,12,12a,12b,13,14b-イコサヒドロピセン-2-カルボン酸;DIPOTASSIUM GLYCYRRHIZATE;POTASSIUM GLYCYRRHIZINATE;Glycyrrhizinate dipotassium;Tripotassium glycyrrhinate;.alpha.-D-Glucopyranosiduronicacid,(3.beta.,20.beta.),20-carboxy-11-oxo-30-norlean;.alpha.-D-Glucopyranosiduronic acid, (3.beta.,20.beta.)-20-carboxy-11-oxo-30-norolean-12-en-3-yl 2-O-.beta.-D-glucopyranuronosyl-, dipotassium salt;D02264;Neubormitin;glycerizate;Diapotassium |
| CAS番号 | 68797-35-3（無水物）、68001-64-5（水和物） |
| 分子式・分子量 | C₄₂H₆₀K₂O₁₆・Mol wt = 899.13 g/mol（無水物）C₄₂H₆₀K₂O₁₆·xH₂O（化粧品には水和物として存在） |
| 最小有効濃度（MEC） | 0.1%（抗炎症・抗アレルギー作用の発現濃度） |
| 最適治療濃度（OTC） | 2.0%（日本の医薬部外品における最大濃度として設定） |
| 最大耐容濃度（MTC） | 2.0%（日本の医薬部外品基準、局所適用時） |
| 医薬部外品における有効成分の濃度範囲 | 0.1〜2.0%（厚生労働省薬用化粧品有効成分リストに基づく） |
| 融点 | 約238°C（分解） |
| 水への溶解度（25°C） | 100 g/L（非常に可溶） |
| LogP（脂溶性指標） | -2.2（親水性が高い） |
| 一次標的 | ① ヒスタミンH₁受容体シグナルの抑制因子 ② NF-κB転写因子の抑制部位 ③ PLA2（ホスホリパーゼA2）阻害位点 |
| 保管方法 | 湿気を避け、遮光・冷暗所に密閉保存（15～25°C） |
| 併用不可 | 高濃度の酸性溶液、界面活性剤との併用で分解や安定性低下の可能性あり |
| 副作用 | 刺激感（稀）、接触皮膚炎（非常に稀） |
| 安全性評価 | EWGスコア：1（最も安全）、皮膚刺激性・感作性なし。日本および欧州で医薬部外品・OTC使用可 |
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