角栓・ニキビに悩む脂性肌の人が、科学的にやるべきこと

01|脂性肌=皮脂が多いから、ニキビは起こりやすい

脂性肌は皮脂がたくさん出る肌。
皮脂が多いということは、毛穴が詰まりやすくてアクネ菌が増えやすい環境になるということです。

ニキビは、

1.皮脂が詰まる(角栓ができる)
2.そこにアクネ菌が増えて炎症が起こる

という仕組みで発生します。

「ならアクネ菌をゼロにすればいいんじゃないの?」と思いがちですが、いくら洗顔してもアクネ菌はゼロにはなりません。

だからこそ、

① 皮脂の毛穴詰まりの改善
② アクネ菌の増殖抑制

この2つをバランスよくやる必要があるわけです。

02|①皮脂の毛穴詰まりの改善

ここでするべきことは2つ。

①現在ある角栓をなくしていく
②皮脂の分泌を減らす

これによって減らしていきます。

ただし、強い洗顔・角栓を絞り取るはNGです。この理由を科学的根拠を交えて解説しました→

1)角栓をなくしていく方法

  • 『レチノイド』でターンオーバーを促進して、角栓を表面に押し上げる
  • 『サリチル酸』で角栓を柔らかくして洗顔で落としやすくする

留置型『レチノイド』系で角栓を浮かせる

・肌の生まれ変わりを速めて、毛穴の奥の角栓を表面へ押し上げる
レチノール(約0.3%)・トレチノイン(約0.05%)・アダパレン(約0.1%)
8~12週間で効果が出てきて、6ヶ月(24週間)くらいで安定

参考:レチノールについてトレチノインについてアダパレンについて

留置型『サリチル酸』で角栓を柔らかく

・角栓を柔らかくする
0.5~2%が効果的とされる濃度(1~2%を夜間使用するとより良い)
・約4週間で効果が出てきて、8~12週間くらいで安定

参考:Efficacy and Tolerability of an Acne Treatment Regimen with Antiaging Benefits in Adult Women

「レチノイドで角栓を浮かせる 」→ 「サリチル酸で柔らかくする」 → 「洗顔で日々少しずつ落とす」

この流れが安全で確実です。

2)皮脂の分泌を減らす

「角栓が減る」といっても、皮脂の分泌が多ければ、またすぐに詰まってしまいます。
そこで、皮脂そのものを抑える成分をうまく活用しましょう。

1.留置型レチノイド

・ターンオーバーの促進により古い角質が剥がれる=「古い角質毛穴にたまる→毛穴で炎症→皮脂が増える」を起こさない
皮脂腺のサイズを小さくする(皮脂を出にくくする)
レチノール(約0.1%)・トレチノイン(約0.05%)・アダパレン(約0.1~0.3%)
8~12週間で効果が出てきて、6ヶ月(24週間)くらいで安定

参考:レチノールについてトレチノインについてアダパレンについて

2.留置型アゼライン酸

・炎症があると皮脂が多く出るので、既にある炎症を治す
15~20%が効果的
8~12週間で効果が出てきて、3ヶ月(12週間)くらいで安定

参考:Clinical studies of 20% azelaic acid cream in the treatment of acne vulgaris. Comparison with vehicle and topical tretinoin

3.留置型ナイアシンアミド

・炎症があると皮脂が多く出るので、炎症自体させない肌を作る=将来的に皮脂を減らす
2~5%が効果的
4~8週間で効果が出てきて、3ヶ月(12週間)くらいで安定

参考:Topical tretinoin for treating photoaging: A systematic review of randomized controlled trials

4.留置型亜鉛

・皮脂を作る原因のテストステロンの働きを抑える
2~5%配合の美容液や化粧水
4~8週間で効果が出てきて、3ヶ月(12週間)くらいで安定

参考:The role of zinc in the treatment of acne: A review of the literature

5.留置型緑茶エキス(EGCG)

・炎症があると皮脂が多く出るので、炎症自体させない肌を作る=将来的に皮脂を減らす
1~2%が効果的
8~12週間で効果が出てくる

参考:Epigallocatechin-3-Gallate Suppresses IGF-I-Induced Lipogenesis and Cytokine Expression in SZ95 Sebocytes

皮脂の分泌を減らす:まとめ表

「肌が炎症を起こしている → 肌の危機 → 肌を守らなくては!! → 皮脂を多く分泌」という前提で、皮脂の分泌が減る理屈まとめ表です。

既にある炎症を治す炎症させない肌にする皮脂を作る部分自体を小さくする皮脂を作らせるホルモンを抑える
レチノイド
アゼライン酸
ナイアシンアミド
亜鉛
緑茶エキス(EGCG)

03|②アクネ菌の増殖抑制

アクネ菌は毛穴の奥に棲みつく常在菌。

洗顔で表面の菌を減らすことはできますが、完全にゼロにするのは難しいんです。

そこで、「増殖を抑える」ことを目指しましょう。

洗顔+抗菌成分で「増殖を抑える」

ベンゾイルパーオキサイド(BPO)

2.5~5%が一般的
・抗菌作用が強く、アクネ菌はもちろん、他の雑菌も幅広く抑える
・使い始めは週2~3回など少なめから様子見

サルファー(硫黄)

・抗菌作用と角質軟化作用のダブル効果
・昔からニキビ用洗顔料や石鹸に配合されている
・においが苦手な人もいるので好みが分かれる

ティーツリーオイル

・天然由来の抗菌成分
・マイルドにアクネ菌を抑える
・濃度が高いと刺激になりやすいので、製品を選ぶ際は注意

洗顔だけじゃダメなの?

洗顔は過剰皮脂や汚れを落とすのに有効ですが、毛穴の奥のアクネ菌まで完全除去は難しい。

そのため、「抗菌作用のある成分」が入った洗顔や化粧品で補うのが効果的です。

04|おすすめスキンケア【角栓・ニキビに悩む脂性肌へ】

朝のスキンケアルーティン

STEP1.洗顔

サリチル酸(BHA)0.5~2%

・CeraVe Renewing SA Cleanser

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・Paula’s Choice Pore Normalizing Cleanser

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STEP2.化粧水・美容液

ナイアシンアミド 2~5%

・Paula’s Choice 5% Niacinamide Booster
・Cos De BAHA Niacinamide Serum 5%

STEP3.保湿

肌のバリア機能を守り、乾燥による皮脂過剰を防ぐ。


STEP4.UVケア

ニキビ痕の色素沈着・炎症悪化を防ぐため、日中の紫外線をブロック。


夜のスキンケアルーティン

STEP1.クレンジング

メイクや日焼け止めなどの油溶性汚れをしっかりオフ。


STEP2.洗顔

ナイアシンアミド 2~5%

・Paula’s Choice 5% Niacinamide Booster
・Cos De BAHA Niacinamide Serum 5%

STEP3.美容液・クリーム

肌のバリア機能を守り、乾燥による皮脂過剰を防ぐ。


STEP4.保湿

ニキビ痕の色素沈着・炎症悪化を防ぐため、日中の紫外線をブロック。


最後に

「強い洗顔でササッと落としたい!」という気持ち、脂性肌ならわかります。
でも、結局はやさしいケアをコツコツ続けることが、最終的にニキビ地獄から抜け出す近道。

ターンオーバーは4~6週間かかるのが普通なので、
少し長めの目で見て、しっかり根本改善していきましょう。

毎日の積み重ねで、
「気づけばニキビが減ってる…!」
と感じられる日がきっと来るはずですよ。

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